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今日もまたひとこと

だって分からないんだもん

またもやメサベルデ国立公園について。

メサベルデで参加したレンジャー引率ツアーは本当に面白かったです。
自分たちだけで見て回っていたら絶対に見落としていたような所も
見せてもらえたし。前にも書いた通り、レンジャーと参加客とのやりとりを
聞いているだけでも楽しかったし。

でもね、「じゃあ何が一番印象に残ってる?」と聞かれたら
私は、レンジャーのおじいさんがツアーの締めくくりに発した
次の一言を挙げるでしょう。

"Maybe we don't have to turn every stone."
「全ての石をひっくり返してみる必要はないのかもしれません。」

だって分からないんだもん_a0037874_16303056.jpg
レンジャーはツアーの間中、様々な知識を
私達に披露してくれます。
遺跡のそれぞれの部屋がどういう用途で使われていたか、
そこで暮らしていた人達がどんな生活を営んでいたか、
などなど。

でもね、メサベルデについては
まだ未知の部分も多いのだとか。
ネイティブインディアン達が文字を持たなかった為、
多くの考古学者が調査を繰り返している現在でも、
分からないでいる事は少なくないのだそうです。

と、ここまで説明した時に、レンジャーが
"Maybe we don't have to turn every stone." のセリフを口にしたのでした。

"turn every stone" とは 「全ての石をひっくり返す」。
つまりこの場合では
「(史実を明らかにする為に)隅から隅まで発掘して調べつくす」 という意味にとれます。
ですからこの言葉、私は
『分からない物は分からないままにしておいてもいいのかも知れません』 と訳します。


メサベルデに限りませんが、私は遺跡が発掘されているのを見ると
複雑な気持ちになります。

史実や遺跡を調べたり研究したりする事は素晴らしいし、
そこから学べる事もまた沢山あるというのは分かっているのだけれど。

でも、それを調べるために、遺跡そのものを掘り返したり、遺跡の一部を
切り取ったりしているのを見ると、なんだか古人の墓を暴いているような
そんな申し訳ない気持ちになってしまったりもするのです。
そして、古人を100%理解しようとする事はある意味高邁なのではないかとも。

分からないものは分からないものとして受け入れ、その上で敬意を払う、
そんな立場をこそ私達現代人はとるべきなのではないかと感じます。

そんな私の気持ちを、
"Maybe we don't have to turn every stone."
という言葉はよく表してくれているように感じました。
by emica96 | 2004-07-28 16:35 | 旅のつれづれ
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南カリフォルニア在住のエミが日常生活の中で見つけたあれこれです。 今日のひとこと英語と共にお届けしています。

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